- ガーシー議員の懲罰や除名の可能性は?
- そもそも懲罰や除名って何?
- 除名の対抗策はある?
この記事を読めば、ガーシー議員の懲罰や除名の可能性について分かりますよ!
国会議員に当選されたガーシー議員ですが、メディアの報道で、懲罰や除名の可能性が取りざたされています。
そんな報道を見て、「そもそも懲罰や除名って何?」「懲罰や除名の可能性は?」と思われた方もいらっしゃるかと。
この記事では、ガーシー議員の「懲罰や除名について」「懲罰や除名の可能性」「除名の対抗策」について解説します。
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ガーシーの懲罰
懲罰とは?
まず、「懲罰(ちょうばつ)」についてです。懲罰とは、国会議員に与えられる罰のことです。
懲罰については、憲法や法律に記載があります。
日本国憲法の第58条2項には、「院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる」と規定されています。
また、国会の運営について定めた国会法の第124条では、「理由なく出席しない者を、懲罰委員会にかけることができる」と規定されています。
ガーシーは懲罰を与えられる?
2022年8月時点で、ガーシー議員に対して懲罰は与えられていません。
しかし今後は、ガーシー議員が国会の秩序を乱したと判断され、懲罰委員会にかけられる可能性があります。
なぜなら、ガーシー議員は中東のドバイにいて、しばらくの間、帰国しないことを宣言しているからです。
ガーシー議員に、懲罰を与えるかどうかは、懲罰委員会というところで話し合われます。
懲罰委員会とは?
ガーシー議員が所属する参議院の懲罰委員会は、次の10名の参議院議員のメンバーで構成されています。
懲罰委員会では、議員に対してどのような懲罰を与えるべきかが審議されます。
懲罰委員会で審議される懲罰とは、どのようなものなのでしょうか?
ガーシー議員に与えらるのは、どんな懲罰?
国会議員の懲罰には、4種類の懲罰があります。「戒告」「陳謝」「登院停止」「除名」の4種類です。
それらの中でも、最も重い懲罰が、国会議員の身分を失う「除名」です。
懲罰委員会の構成メンバーには、ガーシー議員が所属するNHK党の議員はいないため、「除名」を与えるべきと判断される可能性があります。
ガーシーの除名
除名とは?
「除名(じょめい)」とは、国会議員の身分を失い、国会議員でなくなってしまうことです。
ガーシー議員は参議院議員(任期は2028年まで)ですが、除名の懲罰になると、その時点で参議院議員ではなくなります。
このようなとても重い懲罰である除名ですが、除名になるのはどんなときでしょうか?
もし、懲罰委員会でガーシー議員の「除名」が決まっても、すぐに「除名」となるわけではありません。
除名になるのはどんなとき?
除名が最終的に決定されるのは、本会議で出席議員の3分の2以上の賛成があったときです。
懲罰を決めるのは、参議院議員の一部の人ですが、除名を決定するには、参議院議員約248人の投票が必要です。
参議院議員約248人の投票が実施されることになって、賛成が3分の2以上であれば、ガーシー議員は除名されることになります。
ただし、過去に除名になった国会議員は2名しかいません(1950年4月7日の小川友三議員、1951年3月29日の川上貫一議員)。
このように、国会議員を除名させるのは難しいことです。
【コラム】3分の2以上の賛成で除名にできるルールっておかしくない?
そもそも、出席議員(国会議員)の3分の2以上の賛成で、特定の国会議員を除名できるルールっておかしくないですか?
2022年の参議院議員選挙の結果、自民党・公明党・日本維新の会・国民民主党を合わせた改憲勢力(憲法改正に賛成する政党)が、参議院の3分の2を占めました。
つまり、これらの政党に歯向かう議員は、誰もが除名させられる可能性があるわけです。
「おれたち多数派に歯向かうなら、除名させるぞ!」というように脅して、少数派の議員の意見を押しつぶすこともできるのです。
せっかく、少数派の声を反映して当選した議員がいても、除名させられる可能性があっては、言いたいことも自由に言えません。
このような少数派の意見を押しつぶせる国会のルールは、おかしいと思います。
除名の対抗策
ガーシー議員は何もできずに除名させられるしかないのでしょうか?
実は、除名に対するとっておきの対抗策があります。
その対抗策とは、不本意かと思いますが、ガーシー議員から議員辞職して、NHK党の人に議席を譲る方法です。
議員辞職して議席を譲るとは?
このような議席を譲る手段は、過去に数人が使用しています。
「NHKから国民を守る党(現・NHK党)」の党首・立花孝志さんは、2019年7月21日の参議院議員選挙の比例区で当選しました。その後、2019年10月8日に、「NHKから国民を守る党」の比例代表2位だった浜田聡さんに議席を譲りました。
また、「れいわ新選組」の代表・山本太郎さんは、2021年10月31日の衆議院議員選挙の東京ブロックの比例代表で当選しました。その後、2022年4月19日に、「れいわ新選組」の比例代表2位だった櫛渕万里さんに議席を譲りました。
このように、過去に議席を譲る手段が使用されていることから、ガーシー議員にも議員辞職して議席を譲る手段が残されています。
議席を譲るとどうなる?
ガーシー議員が議席を譲ると、ガーシー議員が国会議員ではなくなります。
その代わりに、NHK党の山本太郎さん(れいわ新選組じゃない方)が、国会議員になります。
ガーシー議員は、NHK党から立候補して、2022年7月10日の参議院議員選挙の比例区で当選しました。
その選挙でNHK党の比例区1位は、ガーシー議員でしたが、比例区2位だったのが、山本太郎さん(れいわ新選組じゃない方)なのです。
だから、ガーシー議員が議席を譲ると、山本太郎さん(れいわ新選組じゃない方)が国会議員となります。
とはいえ、「ガーシーが国会議員じゃなくなったら、ガーシーが当選した意味ないじゃん」と思われるかもしれません。
たしかに、国会議員ではなくなることで、できなくなることもあります。
しかし、まったく何もできなくなるというわけではありません。
ガーシー議員が議席を譲ったその後はどうなる?
ガーシー議員が議席を譲ったとしても、ガーシー議員の声は国会に届けられます。
山本太郎さん(れいわ新選組じゃない方)は、ガーシー議員と同じNHK党から立候補していますから、ガーシー議員の考え方に賛同しているはずです。
なので、山本太郎さん(れいわ新選組じゃない方)を通じて、ガーシー議員は自分の意見を国会に伝えることができます。
また、ガーシー議員は元国会議員としての影響力を武器に、不正を働く政治家を暴露していくことでしょう。
政治家の不正の暴露は、一般人としてよりも、元国会議員としての方が、信憑性が高くなるはずです。
「ガーシーやめろ」に対するガーシー議員のコメント
ガーシー議員には、「ガーシーやめろ」という声が多く届いているそうです。
しかし、ガーシー議員はそんな声を気にもとめていないようです。
「ガーシーやめろ」の声に対する、ガーシー議員のコメントは次のとおりです。
まとめ:ガーシーは除名の可能性あり。ただし除名になっても、ガーシーの声は国会に届けられる
残念ながらガーシー議員は、除名にさせられる可能性もあると思っています。
しかし、除名させられる前に議席を譲ることで、ガーシー議員の声を国会に届けることは可能です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!